アカデミー賞7部門受賞の話題作『オッペンハイマー』をDVDでようやく観ました。クリストファー・ノーラン監督作品は『メメント』以来大好きで、バットマンシリーズや傑作SF『インターステラー』、『インセプション』等どれも傑作だと思いますが、このたびの『オッペンハイマー』はどうでしょうねえ。全編を通じて語られるのは原子爆弾開発よりもその後の赤狩り旋風に翻弄されたオッペンハイマーの不名誉さのように受け取りました。時間軸がランダムに変化するストーリー展開はノーラン作品独特の味ですが、本作ではその特徴が却ってテーマを判りにくくしているように思います。主演のキリアン・マーフィーの熱演には圧倒され、原爆実験成功に喚起し、それがもたらす人道問題など無頓着に見える科学者らへの痛烈な皮肉が描かれる印象的なシーンがありますが、第二次世界大戦を扱った作品としては『ダンケルク』のほうがノーランらしいと思いました。
『オッペンハイマー』を観た
📅2024年 10月 17日, ~1 分