ウェブサイト運営に必要な7つの要素(5)
サイトデザイン・サイトのアイデンティティ
ウェブデザイナーは、DTPなどの印刷物のデザインからキャリアをスタートすることが多いと思う。印刷物のデザインを考えるとき、もっとも最初に経験するものは名刺のデザインである。
そこで、ちょっと企業の名刺デザインを思い起こしてほしい。企業で使う名刺のデザイン要素といえば、会社のロゴ、自分の名前、肩書きに会社の連絡先だけのことがほとんどである。これらの要素は、企業を紹介する際に最低限必要な、企業アイデンティティの情報要素といえる。
企業サイトにはこれら最低限の要素が掲載されていなければならないはずだが、現実のサイトデザインでは、企業ロゴあたりからデザインが暴走して、フラッシュによる奇妙なオープニングアニメーション、複雑なデザインのナビゲーション要素デザイン、見たこともない素敵な社員が妙に清々しく電話をしている写真(借り物のイメージ写真のことです)などなど、名刺のデザインに比較すると情報が大幅に増えてしまって、肝心の会社の連絡先が見つからないなんてことがあったりする。
つまり、昨今の企業ウェブサイトは、デザイン過剰で必要な情報に辿り着けないものが目立ち始めているのだ(そして更新されていない…)。
そんなウェブデザインからユーザーが受け取るメッセージは『当社はIT革命の真っ最中であり、社内は大変混乱しています』といったものかもしれない。
“Make it simple, Stupid!”
では、ウェブページ上に最低限掲載すべき要素とは何か具体的に考えると、だいたい以下のとおりである。(手前味噌で気恥ずかしいけど、ページデザインは著作物であり、勝手に転載できないので自分のサイトの旧デザイン例で解説)

上記の図のとおり、3つの要素を揃えれば、ユーザーはそのサイトを次に訪れても、記憶にとどめてくれるはずである。すなわち、
- ウェブサイトのロゴ。グラフィックでも漢字テキストでも好み次第。
- サイトのコンセプトをひとことで説明する、キャッチフレーズ。気取った言い方ではタグライン。
- 運営者へのコンタクト先(メールアドレスだけでも可、なるべく全てのページに掲載すること)
要素数が少なくても、各パーツが個性的であれば、ウェブサイトのアイデンティティは充分確立できると筆者は考える。しかし仮にパーツデザインに新規性がないとしても、別に構わないのではないだろうか。なぜなら全ての企業が、グラフィックデザインをメイン事業にしているわけではないからである。
企業の個性をウェブサイトの外見に求めるのは諦めて、テキストだけでもきちんと情報を更新してみてはどうだろう。ウェブサイトの個性はコンテキスト(情報の文脈・構成する意味内容)にあると思うのだ。
うわけではないんですけどね。