ウェブサイト運営に必要な7つの要素(4)
情報デザインとユーザビリティに必要な訓練(日本人は『情報デザイン』がニガテである)
『情報デザイン』というコトバはおおげさだが、日本のビジネス現場では、書類というのはホントに形式だけのものがほとんどで、読まれる(読ませる)ものを作るという意識が欠けたままで作成される文書が実に多い。その結果として、文書作成の延長としてのウェブコンテンツの構成も、奇々怪々なページを作ってしまうことがある。
これは広告作成に熟練しているはずの『広告業界・販促業界』の人間であっても、良い例としてお手本となることはない。たとえば雑誌『販促会議』あたりに登場する企画書のサンプルを見れば、『企画のプロ』の世界でさえ、一般には読みにくいものを作成していることがよくわかる。
図解という『誤解』
コンピューター書籍なんかの世界でも、『わかりやすい』というと、やたらと『多色刷り』や『図解』を多様する傾向があるが、図解して効果があるのは、『ページを読み進めることが容易になる』という部分であることが多い。
見ていて『楽しい』というのは悪いことではないが、ビジネスの現場では、情報内容が『できるだけ短時間で理解・把握される』ことが重要なのだ。それにはやはり『読み手にとって理解しやすいテキスト』を書く必要があるし、そうしたトレーニングをしなければならない。
そうしたトレーニングを考えるとき、もっともよいサンプルは電子メールである。
電子メールから始める情報デザイン
あなたは電子メールをキチンと書いているだろうか?もはや日本でもオフィスワークに電子メールは欠かせないものとなったが、これが確実に仕事の効率をアップしているかというと、かなり疑問だろう。
なぜなら、大半のビジネスメールは(仕事上での電話とおなじくらい)相手を混乱させているかもしれないからだ。
筆者は仕事で多くの企業のオフィスに出かけたり、多種多様な業種の方と電子メールをやりとりしているが、受け取ったメールを一目みると、相手のコンピュータースキル、仕事の能力がほとんど把握できる。
電子メールには、テキストによる情報デザインというものに必要な要素、考え方が全て網羅されている。ぜひとも、自分の書いた電子メールや、ヒトから受け取った電子メールを読み返してみてほしい。
読み手を混乱させる悪いメールは、以下の条件のどれかに該当するものである。
- 件名が書かれていない
- 件名を読んでもメールの内容が理解できない(件名に『決まり文句』や『挨拶』が含まれている)
- 件名に、『読み手に具体的な行動を促す・判断を要求する』キーワードが含まれていない
- 半角カタカナや機種依存文字を使用している
- メール本文が挨拶で始まり、それが通常の手紙文とおなじで堅苦しく、長たらしい
- ビジネス情報の必須項目・5W2H※のうち、相手が必要としている項目が抜けている
※(when/いつ、where/どこで、who/誰が、what/何を、why/なぜ、how/どうやって、how much/いくらで) - 誤字が多い
- 適度な文字数(35文字程度)で改行されていない
- 文末に署名情報がない
- 何の予告もなくでかいデータを添付している
- 必要もないのにHTMLメールで送付している
いかがだろうか?もちろん悪い電子メールを受け取ったからといって、相手との仕事を中断するようなヒトはいないと思うが、こうした日常的な文書作成の現場で『読み手の存在を意識した』テキスト作成をこころがけることは、とても大事なことなのである。