2001/2/5 月曜日

ウェブサイト運営に必要な7つの要素(3)

Filed under: Designing usable, accessible website — 管理人 @ 21:43:36

コンセプトに見合う、価値あるコンテンツを提供しているか?(ウェブサイトから『美辞麗句』『形容詞』を削除してみよう)

ウェブサイトが価値あるコンテンツを掲載しているかどうか、冷静に見極めるには、そのサイト上の美辞麗句、形容詞を削除して、本質的に意味をなすかどうかを考えてみると面白い。

例えば最近多いのが、サイトのキャッチコピーに『とっても便利な●●サイト』『お得な情報満載!の●●サイト』というものだが、「とっても便利な」と感じるかどうかはユーザーの判断に委ねられるわけで、サイト上に書くのはちょっとおしつけがましいのだ。こういうサイトに限って、掲載内容そのものを冷静に見ると、他の同ジャンルのサイトに掲載されているものと似たり寄ったりであることが多い。つまり、価値が低いコンテンツなのである。

他にも『とっても楽しいコミュニケーションサイト』とか『素敵なあなたの●●を応援するお役立ちサイト』とか書かれていたりするが、前者は『掲示板とチャット』サイトに過ぎないことが多いし、後者も『具体的にどういう役に立つのか』は不明なままのサイトが多い。そんなうすっぺらなサイトはすぐにユーザーに見抜かれてしまうので、長続きできないことが多い。

有名人をひっぱり出すだけのサイトもダメ

ウェブサイトでは既存マスコミ上でのいわゆる有名人、芸能人の類いをひっぱりだしただけではダメである。具体的にそのタレント性がウェブサイト上で理解されないと、どんな価値あるヒトでもそっぽを向かれてしまうのだ。女性タレントのエッセイを掲載するにしても、ちゃんとそのエッセイが素顔を語っているものでないと、ユーザーを集めることはできない。

また有名な作家先生に原稿を頼んでも、ネット向きな内容でないため面白くないということがよくある。ネット特有のセンス(ウェブセンス?)を持てないと、既存のマスコミでどれだけウケてもネットでは思ったように人気がでないことが多いのだ。(一時的にアクセスを稼ぐことはできるが…)

結局のところ、価値あるコンテンツとは…

具体的に役に立ち、ユーザーの抱えるなんらかの問題を解決するコンテンツが、価値あるコンテンツなのである。

こうしたコンテンツ作りのノウハウは、雑誌作りのノウハウがそのまま役に立つことが多いので、雑誌編集のスキルをもった人材がウェブビジネスでもおおいに必要になるだろう。

ウェブサイト運営に必要な7つの要素(2)

Filed under: Designing usable, accessible website — 管理人 @ 21:38:04

サイトのコンセプトは充分に考慮されているか?

商用サイトを構築するなら、まずじっくりと考えなければならないのが『サイトのコンセプト』である。『我が社もIT革命に向けてスグにウェブサイトビジネスに参入だ!』と上司に急かされても、賢明なるウェブマスターはじっくりと現状の市場性というものを勉強して、慎重にコンセプトをひねり出す必要がある。(個人で運営するならもちろん思いつきでよい。投資リスクを負うのは自分自身だし、そもそもそんな大規模なビジネスを目指す必要もない)

『インターネット時代には、走りながら考えるヒトが成功する』といわれるが、筆者の考えではこのコトバは誤解されている。何も考えずにウェブサイトを開設して運営を始めるには、膨大な企業体力が必要になる。投資も多額になるし、運営者の体力も浪費される。何しろ方向が見定まらずに投資するのだから、何か必要で何が不要なのかわからぬままだ。

ネットベンチャーがどんどん倒産していく理由は、『走りながら考えているうちに資金が底をついてしまった』という事情による。ネット以外のビジネスではじっくり考えるのに、なんでネットに舞台が変わると『なんでもいいからiモードサイトやりましょ』なのだ?

同じ目標に到達するなら、ムダの少ない方法を選択するのは当然である。

すでに稼働しているウェブサイトのコンセプトを検証するには、以下の問いかけをしてみればよい。

  • そのサイトでは、どんなことが可能になるのか?
  • そのサイトにアクセスしたユーザーは、どんな利益を得られるのか?
  • そのサイトでは、どんなサービスを提供するのか?
  • どんなユーザーを対象とした、あるいはどんなニーズに応えるサービスなのか?
  • 運営者はどんなしくみで収益を得るのか?
  • その収益を確保するために何をすべきか?

上記の質問に窮するようなら(不明な点があるなら)、そのサイトはどこかおかしなところがあるに違いない。

広告収入で運営するには相当の覚悟が必要

ウェブサイトの収益源について、『広告収入』を挙げる企業が多い。そのために『アクセスアップをめざせ!』とか『プレゼントキャンペーンでユーザー獲得だ!』なんて奔走するヒトを見ると、正直ゲンナリする。

『広告収入』をコンセプトに、企業広告しかコンテンツのないウェブサイトをつくる企業もあるが、そんなウェブサイトには実質的な価値はないし、寿命も短い。米国ではこの手のウェブビジネスは、すでにほとんど赤字のため倒産している。(というより、元々長く運営するつもりがないし、ユーザー情報を売却するなどモラルも低い)

バナー広告を表示させておくだけでポイント還元されるという米国のAllAdvantage.comも昨日サービスを停止した。これの日本法人はどうなるのか注目である。追記:その後日本法人もサービス停止となった)

広告収益での運営をめざすなら、コンセプトは以下のような、より詳細な方針を持たねばならない。

  • 『できるだけたくさんのアクセスを目指す』のではなく、具体的に何人のユニークユーザーからのアクセスを目指すか?
  • どんな性質のユーザーが集まるサイトを目指すか?(例)エンジニアが集まるサイト、独身男女が集まるサイト、転職に興味あるヒトが集まるサイトなど。
  • ユーザーのデモグラフィック(ユーザーの性質、アクセス統計)をどうやって測定するか?

たくさんのユニークユーザーを集めるために大きな費用をかけてプロモーションをしても、有益なコンテンツがなければユーザーは簡単に離れていく。有益なコンテンツは有益なサイトコンセプトがなければ活かすことができない。

次ページではコンテンツの良し悪しを判断する基準を考える。

ウェブサイト運営に必要な7つの要素(1)

Filed under: Marketing — 管理人 @ 21:26:46

『わが社のホームページをリニューアルしたい…』という話をよく聞く。よくよく理由を聞くと、現状のサイトでは儲からない・人気がない・更新がうまくいかないなどの悩みが吐露されるわけだが、そうした悩みに応えるサービスはというと、今のところせいぜいウェブサイト制作会社かネット広告代理店しかない。

最近登場したSIPS(Strategic Internet Proffesional Service)なんて業種もこうしたニーズに応えるサービスであるが、いずれにしろこうした企業サービスにかかる費用はけっこう膨大だ。

あなたのサイトがうまくいかない原因をえぐり出す『7つの要素』モデル

自社のウェブサイト運営に漠然と問題があると感じられた場合、いきなり外部企業に相談を持ちかけて費用をかけてしまう前に、なんとか自社内で問題を認識する方法はないものか。

そこで筆者が思いついたのが、以下に登場するウェブサイト運営の7要素モデルなのだ。これの元ネタは、OSI参照モデルと呼ばれるもので、ネットワーク障害発生時に障害の原因を探るためにネットワークを7つの要素に切り分けてそれぞれ検証していくという、エンジニアリング上のモデルである。この問題発見のノウハウ(障害原因の切り分け)は、通常のビジネスでも応用がきくものだ。以下の図がその概念図である。

OSI参照モデルウェブサイト運営に必要な7つの要素図

上の図のような形で、『ウェブサイト運営の7つの要素』を仮定してみる。重要な点は、下位の概念は常に上位の概念の支配を受けるということだ。

たとえばサーバー設備を決定するのは、マネジメントレベルでのコスト計算や、エンジニアレベルでのスペック要求の結果である。ウェブサイトの運営内容、情報の更新ノウハウはそのテクノロジーに影響を受ける。(自動更新なのか、手作業で HTMLを掲載するのか)サイトの情報更新によってデザインが毎回変わっては、サイトのアイデンティティは狂ってしまう。また、どんなに美しいグラフィックも、サイトの操作性を低下させることがあってはならない。サイトのナビゲーションや表現はそのコンテンツによって大きくスタイルを変えるべきだろうし、コンテンツはコンセプトがなければ何のまとまりも持たない。

とりわけ、ビジネスでウェブサイトを運営する上でまず充分に考えるべきなのは、サイトのコンセプトである。これについて引き続き次ページでも詳細に考慮していこう。

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