2000/12/29 金曜日

パーミッション型からリクエスト型へ

Filed under: Marketing — 管理人 @ 21:22:02

今、ネット広告業界は空前の『オプトインメール』ブームだ。このトレンドはおそらく来年いっぱいは継続するだろう。なにしろ現在(2000年12月29日)のところ、オプトインメールは米国でも日本でもネット広告上で一番費用対効果のよい広告手段なのはマチガイないのだ。

『オプトイン(Opt-In)』とは、「すすんで受け入れる」というニュアンスのコトバで、オプトインメール広告とは『メールによる企業広告をすすんで受け入れるユーザーを対象にした』電子メール広告である。

『そんなユーザーが存在するのか?』という印象を、筆者はかつてもっていた。基本的に企業の広告がキライな自分としては、『オプトイン』なんて態度は信じられないのだ。しかし様々なネット広告調査によると、ネットユーザーにとって広告は『有用な情報を知るためのきっかけ』として受け止められていることが多く、こうした企業からの情報についてもかなり寛容であることが判明しているらしい。

この調査結果の背景にはしかし、現在のインターネットユーザーの90%以上がネット利用を初めて一年以内の『初心者』であり、自分の必要とする情報をネットで検索して入手するスキルが充分でないためではないかと個人的には考えている。(検索エンジンを使いこなせないユーザー数増加のニュースもある)

とにかくインターネットはこれからも当分は初心者が主役のメディアであることは間違いない。初心者は自分で情報を捜せない…そもそも自分にとってどんな情報が必要かを判断できない…こんなマーケットでは電子メール広告のようなプッシュ型広告の効果は高いのだ。

『オプトイン=パーミッション』というセンスにも限度がある

『オプトインメール広告』のキャッチフレーズは『企業からのお得な情報をメールでお届けします』というもので、『関心のあるジャンルを選択してください』という感じで様々な企業カテゴリーを選択する。無事カテゴリーを選択して入会すると、確認メールで選択カテゴリーを確認してくる。これに反論しなければサービス開始だ。そして送られてくるメールでの『お得な情報』は、単なる企業広告である。何割かのユーザーにとってはお得な情報かもしれないが、特定の割合のユーザーにとっては『がっかり』させられる事実である。

そんな場合、送られてくるメールを無視するが、自分で『進んで拒否』しないかぎり、メールは送られ続ける。ごみ箱は不要な情報でいっぱいになるわけだ。サービス提供をする側の論理は『ユーザーがオプトインしたから了承されている』というものだが、ユーザーの感情は『そこまで了承した憶えはない!調子にのるなよ』ということもある。

『パーミッション』ベースのはずの『オプトイン』は、限度を超えるとそのブランドに対する『拒絶』に変化することもあるのだ。

こうしたユーザーの『拒絶』を防ぐために、現在のオプトインメールサービスには大抵『ポイント還元サービス』がオマケでつくようになった。広告メールを受け取ればそれがポイントとしてユーザーの利益になる仕組みである。ユーザーが進んで受け取るものは『企業からのお得な情報』というよりは『ポイント』に変わっていくのである。

(かといってこうした『ポイント目当てのユーザー』ばかりのメール広告のアクション率が低いわけではない。むしろポイント目当てのユーザーのほうが広告情報に対して従順であることは『DEmail』やその他の懸賞系メディアの効果実績を見れば明らかなのだ。これはインターネット特有の新しい消費層ではないかと筆者は考えている。『浪費層』とでも呼びますか…)

このような、サービス感覚のミスマッチには前例がある。ハンバーガーショップでハンバーガーを注文するとドリンクを勧められる。もちろん大部分の客は勧めに従いドリンクも注文し、企業は利益を確保できる。しかし何人かの『急いでいる客』はこの『関連販売』型サービススタイルをジャマと感じて、だんだんとその店を利用しなくなる。

ひとつの『パーミッション』にひとつの提案が顧客の『リクエスト』を可能にする

オプトインメールで『拒絶』ユーザーを作らないベストな方法は、メール配信ごとにユーザーに『オプトイン』してもらうことだ。つまり、広告メールのラストセンテンスには『このサービスを有益と感じ、次回もメール受信を了承する方はこちらをクリックしてください』とかなんとか追加して、リンクをクリックすると次回も会員としてメールを受信できる。放置しておけば次回からはメールが配信されない仕組みである。

こうしたサービススタイルでは、おそらく会員はそう簡単には増えないだろう。しかし『拒絶』ユーザーがそのサービスを非難することを考えれば、サービスの寿命を長くするためにはこうした『リクエストベースのオプトインメール』のほうが有効ではないかと思うのだ。

2000/12/24 日曜日

ネット広告のタブー講座(2)費用対効果、販売促進を考えるならバナー広告は使うな

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 13:09:21

バナー広告が悪いわけではない。バナー広告には広範なブランド認知という役割がある。またアニメーションGIFによってかなりの情報を伝えることも可能だ。

バナー広告の利点をメール広告と比較してまとめてみると、

  • ネット広告メディアとしてネットワークがメール広告に比較して大きい。(リーチ・フリークエンシーが大きい)
  • テキストのみのメール広告に比較して、バナー広告は一般的に多彩な表現が可能である。伝達できる情報も多い。

一方でバナー広告には欠点もある。まとめてみると、

  • メール広告に比較して、バナー広告のクリック率は一般的に低い。クリック率が低いということは、ウェブサイトへのアクセスが少ないということになる。
  • バナー広告は費用対効果の面で効率がわるい。もっともこの場合の効果は『売り上げ』のことである。『ブランド認知』ではない。
  • バナー広告は制作費用がかかる。しかもネットワーク型バナー広告に出稿するなら、デザインも数種類用意する必要がある。
  • 広告プランの総額がメール広告に比較して高額になりやすい。これは広告料金も広告制作料金も鑑みての話である。

などなど。ショッピングサイトなんかで広告を考える場合には販売促進が目的であることが多い。そんな場合には上記の事情によりバナー広告よりはメール広告をオススメする。

ちなみに、現状のネット広告業界でもっとも費用対効果が期待できるのはオプトインメール広告である。これについては別の機会で説明したい。

ネット広告のタブー講座(1)

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 13:06:02

これまでのページで、インターネット広告全般の特徴、業界事情などについて説明してきた。今回からは、具体的にネット広告を実施するにあたって、広告効果を最大限に高めるためのプランニング方法について具体的に説明していこう。ヒネくれていて申し訳ないが、まずは、やってはいけないことをいくつか解説する。

インターネット広告を実施するにあたってもっとも考えなければならないのは、広告実施の目的である。あたりまえのことに聞こえるかもしれないが、紙メディアに頼ってきた企業がインターネット広告を始めるにあたって、こうした目的を設定できていないままテキトーにバナー広告とかに予算を使うパターンはとても多い。ネット広告では、目的によって広告メディアの選択内容は大きく異なるし、効果測定の方法も変わる。気をつけなければならないのは、サイトのコンセプトに適った広告目的を設定するということである。

広告目的の設定の際によくあるマチガイは、『サイトのアクセスを増やしたい!』というものである。

かつて、gooやインフォシークなどの検索サイトで、とうやったら自分のサイトを検索ヒットさせるかというノウハウが随分流行した。トップページに大量のキーワードを埋め込むとか、検索されそうなキーワードをサイトに掲載するとかの類いである。困ったことに、今でもネット広告相談の内容のほとんどはこれである。

アクセスが増えるというのは、ウェブサイトにとっては目的ではなく、結果でしかないことを企業サイト運営者は知るべきだ。アクセスがあるから人気サイトと呼ばれるわけではなく、人気サイトだからアクセスが多いのである。

ネット広告で一時的にアクセスを増加させるのはとても簡単だ。ありったけの金を全てのネット広告媒体につぎこむのである。ネットだけでなく、新聞広告、テレビCMも実施すればサイトアクセスは飛躍的に向上する。愚かなことに1999年から2000年にかけて、これを本当にやってしまった企業がたくさんある。それら企業サイトのアクセスは、広告がストップしたと同時に、すぐに個人サイト並に落ち込んでしまって、サイトの存続が危ぶまれているものがほとんどだ。

なぜアクセスが落ち込んだのか。理由はサイトのコンテンツがつまらないからである。つまらないサイトがアクセス向上のために広告を出して、新規ユーザーのアクセスを一気に増加させると、新規ユーザーはそのサイトがつまらないという評価を即座に下し、二度とアクセスしなくなる。しかも悪い評判はインターネット上を一気に駆け巡る(インターネットでの口コミ効果は現実世界のそれをはるかに凌ぐのだ)。

つまり短期的にサイトのアクセスを増加させることは、短期的にサイトの評価を決定づけてしまうことにもなるのだ。『ダメサイト』の評価が拡大してしまったら、その評価を変えるために、もういちど前回と同じボリュームの広告を出さなければならない。よほど自信がないかぎり、アクセス向上なんて目的で広告実施してはいけない。

くりかえすが、アクセス向上はサイトの目的ではなく結果であることを理解すること。

2000/12/17 日曜日

ウェブデザインはコンセプトとテキストが主役

Filed under: Marketing — 管理人 @ 13:43:10

サイトコンセプトはウェブマスターの熱意

一体いつからホームページというものはお洒落になってしまったのだろう。筆者がインターネットを始めた6年前には、ホームページといえば真っ暗な背景に星空、同じサイズの文字が中心のデザイン要素などまるでないサイトばかりだった。テーブルタグは文字通りテーブルの表示にのみ使われていたのだ。

しかし、当時のホームページは今の多くのサイトよりもはるかにウェブマスターの情熱を感じる面白いサイトばかりあったような気がする。しかもサイトの内容がとても個性的なものばかりだった。

今ではそれらサイトはほとんど閉鎖されてしまったが、たとえば98年までメンテナンスされていた『東京トイレマップ』なんかは、今も観ることができるし、情報は現在でも役に立つもので、読み物としてもバツグンに面白い。サイトとしては営利目的ではなかったが、せめて3年前に今くらいバナー広告会社があったとしたら、かなりの優良サイトになっていたはずだ。(作者のヒトは今何をしてるんだろう)

儲かるサイト、面白いサイトはテキスト中心。

最近のウェブデザインの仕事の中には、必ずといっていいほど『Flash』アニメーションの制作が含まれている。これが筆者には理解できない。『Flash』アニメーションを使いたがるのは、サイトの運営者なのか、それともウェブデザイナーなのか?

『Flash』プラグインの利用率はユーザー全体の70%だとか、そういう議論の前に、人気のあるサイトが『Flash』アニメーションを使わない理由についてウェブデザイナー、サイト運営者は考え直すべきだ。

例えばyahooはけっしてトップページに『Flash』アニメーションで『Welcome』なんて表示しない。検索サイトのコンセプトに必要ないからだ。

国内最大の売り上げを持つ懸賞情報サイト、『チャンスイット』はほとんどテキストの情報だけで、しかもサイトの作りは単なる懸賞情報へのリンク集だが、広告収入だけで月刊売上は3千万円を超えるそうだ。このサイトが『Flash』アニメーションを使わない理由は、やはりサイトのコンセプト上余分なグラフィックが必要ないからだ。

他にも、個人が運営するコンピュータ情報サイトとしておそらく日本一と思われる『Macお宝鑑定団』は広告バナー意外はテキスト情報の更新だけで運営している。広告収入は月刊100万円以上だそうだ。グラフィック系ユーザーが多いと思われるMacintoshユーザーをターゲットとした『お宝鑑定団』でさえ、『Flash』アニメーションはおろか華美なグラフィックは一切使用しない。必要ないからだ。

もちろんお金がサイトの全てではないが、朝日新聞や、他のニュースサイトが『Flash』アニメーションをトップページに使ったら、いち早くニュースを観たいヒトは困ってしまうはずだ。

一体『Flash』アニメーションを必要としている人気サイトを、あなたは見つけることができるだろうか?

多くのユーザーを集めようと思ったら、決して『Flash』アニメーションは使ってはならない。大きな画像も使ってはならない。ウェブサイトで通常掲載される情報やナビゲーション用グラフィックのほとんどは、『Flash』アニメーションなしでも表現可能だ。今のところ『Flash』アニメーションを必要とする情報は、『Flash』アニメーションそのものの情報だけだろう。

これからウェブサイトを立ち上げようというサイト運営者に筆者が最初にアドバイスするとしたら、『Flash』アニメーションを使うな!というだろう。少なくともトップページで『Flash』アニメーションを使うのは、ウェブサイトの自殺行為だ。

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