メディアレップに未来はあるか
前回までの説明でネット広告の流通の特殊なしくみについて理解していただけたと思う。ここで、最前線のネット広告市場についてちょっと裏舞台を話そう。
メディアレップ国内最大手のサイバーコミュニケーションズが、この11月にマザーズ上場を果たした。株価は不振のマザーズにあって、まあそこそこといったところである。しかし、国内のネット広告業界全体を眺めた今、メディアレップが存在意義を問われ始めている。業態が確立して2年そこそこでこんなことを言うのは早計と思われるかもしれないが、メディアレップが事業を拡大していく可能性は極めて低いと言わざるをえない。なぜか。
まず、前回までの解説で、筆者はメディアレップの業態をネット広告の卸販売と比喩したが、インターネットビジネスが発達していく中で真っ先に不要になるのが、こうした単なる仲介ビジネスの収益モデルであるといわれる。メディアレップが、人気サイトを広告枠として発掘し、広告販売のリーダーシップを発揮できたのは過去の話。現在人気のあるサイトの運営者は、広告媒体としてのプランニングスキルがメディアレップと遜色ない。つまりウェブサイトが広告事業を学習し、充分に成長してきたのである。
今や、yahooやその他の人気サイトは、独自にセールス部隊を持ち、メディアレップに頼ることなくプロモーション戦略を構築し、ネット広告代理店に直接広告枠を販売している。人気サイトは売りやすい上に媒体側の窓口がしっかりしているので、ネット広告代理店側もメディアレップに頼ることなくサイトに広告枠の手配ができる。もはや広告枠管理のために仲介手数料を支払う意味がないのだ。
ネット広告市場が成長するにつれて、人気サイトは利益を最大限にするために、できるだけ広告主に近い場所で広告枠を販売していこうとするものである。人気が急上昇の女性サイトも、後述するオプトインメール広告も、ほとんどがメディアレップを必要とせず、広告枠を販売することで粗利の高いビジネスを拡大している。
こうなるとメディアレップが扱えるサイトは、人気の低い、自立できないサイトのみになる可能性がある。そうしたサイトをネットワーク化して広告商品として販売することは可能だが、大きな利益確保が困難になるだろう(サイトの管理手数が増えるので)。
こうして広告の卸販売は廃れていくものと筆者は考えている。パワーを持つのは販売力を持つ広告代理店であろう。
そんなわけで、抱える顧客数に自信のあり、ネット広告に進出していない従来型の広告代理店は、努力次第で大きなポテンシャルがあるといえるのである。
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