2000/11/20 月曜日

メディアレップに未来はあるか

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 12:59:37

前回までの説明でネット広告の流通の特殊なしくみについて理解していただけたと思う。ここで、最前線のネット広告市場についてちょっと裏舞台を話そう。

メディアレップ国内最大手のサイバーコミュニケーションズが、この11月にマザーズ上場を果たした。株価は不振のマザーズにあって、まあそこそこといったところである。しかし、国内のネット広告業界全体を眺めた今、メディアレップが存在意義を問われ始めている。業態が確立して2年そこそこでこんなことを言うのは早計と思われるかもしれないが、メディアレップが事業を拡大していく可能性は極めて低いと言わざるをえない。なぜか。

まず、前回までの解説で、筆者はメディアレップの業態をネット広告の卸販売と比喩したが、インターネットビジネスが発達していく中で真っ先に不要になるのが、こうした単なる仲介ビジネスの収益モデルであるといわれる。メディアレップが、人気サイトを広告枠として発掘し、広告販売のリーダーシップを発揮できたのは過去の話。現在人気のあるサイトの運営者は、広告媒体としてのプランニングスキルがメディアレップと遜色ない。つまりウェブサイトが広告事業を学習し、充分に成長してきたのである。

今や、yahooやその他の人気サイトは、独自にセールス部隊を持ち、メディアレップに頼ることなくプロモーション戦略を構築し、ネット広告代理店に直接広告枠を販売している。人気サイトは売りやすい上に媒体側の窓口がしっかりしているので、ネット広告代理店側もメディアレップに頼ることなくサイトに広告枠の手配ができる。もはや広告枠管理のために仲介手数料を支払う意味がないのだ。

ネット広告市場が成長するにつれて、人気サイトは利益を最大限にするために、できるだけ広告主に近い場所で広告枠を販売していこうとするものである。人気が急上昇の女性サイトも、後述するオプトインメール広告も、ほとんどがメディアレップを必要とせず、広告枠を販売することで粗利の高いビジネスを拡大している。

こうなるとメディアレップが扱えるサイトは、人気の低い、自立できないサイトのみになる可能性がある。そうしたサイトをネットワーク化して広告商品として販売することは可能だが、大きな利益確保が困難になるだろう(サイトの管理手数が増えるので)。

こうして広告の卸販売は廃れていくものと筆者は考えている。パワーを持つのは販売力を持つ広告代理店であろう。

そんなわけで、抱える顧客数に自信のあり、ネット広告に進出していない従来型の広告代理店は、努力次第で大きなポテンシャルがあるといえるのである。

インターネット広告の流通のしくみ(2)

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 12:55:16

前ページではネット広告の流通のしくみについて解説した。ではそれらの仲介手数料(マージン)について解説しよう。また下の図を参照する。

ネット広告流通のしくみ図

(1)のネット広告代理店と広告主のやりとりでは、広告代理店は300万円の広告料金を広告主に請求する。その際の広告枠はメディアレップから仕入れているので、仲介手数料はメディアレップからネット広告代理店に支払われる。広告料金の内の15〜20%が広告代理店のメディアレップに対する仲介手数料、つまり利益である。広告料金300万円の例では、300万×15%=45万円。2〜3回の訪問でこの粗利益なら悪くない。

メディアレップは広告媒体サイトに対して、設定した広告枠の定価300万円の内、60〜70%程度の金額をサイト運営者に支払う。全体でみると、300万円の広告料金の内、一般に45万(15%)は広告代理店の利益、同じく45万円(15%)がメディアレップの利益、210万円が広告を掲載した媒体サイトの売り上げとなる。

もちろん、このままでは最前線の広告代理店が一番大変なので、メディアレップに手数料のアップを申し出ると、最大23%程度までメディアレップは折れることもある。一方メディアレップは利益を確保するために、媒体への支払い金額を下げたり、あるいは媒体をたくさんネットワーク化して一つのメディア(ネットワークメディア)にして、広告価値を上げて高額な広告枠を作りだしたりして大きな広告主のオーダーに応えられるようにしていく。

いってみればメディアレップはネット広告の卸販売業なのだ。

さて、図解したように、従来の広告代理店は、広告枠をネット広告代理店から仕入れていることが多い。これは先に説明したように、従来の広告代理店がネット広告の販売ノウハウを持っていないにも関わらず、広告主のネット広告に寄せる関心とニーズが非常に高いため、止むなくネット広告代理店に助けを求めている形だ。こうした場合の手数料は、通常の広告枠なら広告料金の5%〜10%である。

これはいかにも広告主にとってメリットの少ない構造といえる。従来の広告代理店ではネット広告の最大の利点である広告効果の検証と次回のプランニングが広告主に充分提供できないからである。仮にネット広告に出稿して高い広告効果がでれば、広告主はますます従来の広告からネット広告に比重を傾けていく。すると従来の広告代理店はますますビジネスが難しくなっていく。しかし広告主への提案が不十分なので、だんだん広告主は従来の広告代理店からネット専門の代理店へと依頼先を変えていくのだ。

従来の広告代理店はそろそろ本格的にインターネットに力を入れて、自らの企業改革を促すべきなのだ。

今、最先端のネット企業はネット広告単体から看板、新聞広告、雑誌広告と組み合わせた広告企画を歓迎する。広告のリーチを考えれば当然の選択だ。これら複合メディアプランを作りだすには従来の広告代理店が不可欠である。(ネット広告代理店は紙媒体を扱う余力がないほど忙しいので)交際費に出費するヒマがあったらIT関連事業部に投資すべきだ。

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