2000/11/17 金曜日

インターネット広告の流通のしくみ(1)

Filed under: , — 管理人 @ 12:48:23

例えば、あなたが企業サイトのウェブマスターで、サイトでの新しいサービス開始に合わせて、インターネット広告をやってみようと思いたと仮定する。あなたは広告代理店を探し、たまたま電話のあったネット専門の広告代理店に相談したところ、有名検索ポータルサイトにバナー広告を掲載するプランを提案された。費用は300万円。掲載は1ケ月で、最低保証PVは200万PVだと説明される。あなたが見積もりを承認して広告発注にゴーサインを出すと、以下の図のようなしくみで広告は掲載される。

ネット広告流通のしくみ図

(1)はネット広告代理店と広告主のやりとり。300万プラス消費税が広告代理店に支払われる。初回は前金であることが多い。

(2)はネット広告代理店とメディアレップの間のやりとり。メディアレップ(Media Representative)という業態はネット広告特有のビジネスで、星の数ほどあるインターネット上で広告媒体として価値あるサイトを見つけて、広告枠として販売代理契約を締結する(3)という、いってみれば人気ウェブサイトのエージェント的存在だ。大きなサイトでなくとも一定のユーザーを集める中堅サイトをたくさん集めて、ページ上などに共通のバナー広告枠なんかを作らせて、広告枠のネットワークとして広告代理店に提案することで大きな広告料金を稼ぎだす。ネット広告特有の媒体特性を検証するノウハウプランニング能力、サイトの持ち主とのコミュニケーション能力が求められる業態だ。

国内の代表的なメディアレップは、電通系のサイバーコミュニケーションズ(略称CCI)、博報堂系のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(略称DAC)である。もちろんこの2社で扱うことのできない小さなサイト専門のメディアレップや、メールマガジン媒体を扱うメディアレップもある。

メディアレップの特徴は、広告代理店に広告枠を仲介販売するという、ニッチな販売スタイルにあるが、この特徴はこれからのメディアレップの弱点になると考えられている。

次ページで、これらの流通システムによる仲介マージンと各業態の今後の課題を解説しよう。

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なぜ従来の広告代理店はインターネット広告がニガテなのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 0:24:41

インターネット広告の市場は毎年200%以上の高い伸びを示していることは前に書いたが、新聞、雑誌、テレビ、交通広告などの媒体を扱っている従来の広告代理店は、なぜかインターネット広告を取り扱いしていないところが多い。というより、既存の広告代理店は(超大手代理店も含めて)インターネット広告に関しては今のところほとんど販売力を持たない。

筆者の知る限りで言えば、既存の広告代理店がネット広告界に進出できない理由は以下の3つである。

  • 『広告効果の測定が可能』というネット広告の特徴が、従来の広告販売スタイルに馴染まない。
  • インターネット広告界での媒体の流通システムを理解できていない。
  • インターネットそのものに既存の広告代理店は馴染みがない。

最初の理由に関しては、『広告の目的はブランドの認知であり、ブランドの認知には明確な測定基準がない』という風潮が既存の広告代理店にはある。要するに広告効果は形のないものであるという暗黙の了解である。しかも広告代理店が向き合うのは主に企業の広報部門であり、売り上げに直接関わる部門である営業部門や販売促進部門に向き合うのは、どちらかというと販売促進・マーケティングを扱う会社なのだ。(したがって景気が悪くなれば、こうした売り上げに直接結びつかない広告への予算は削減されて、セールスプロモーションに力をいれることになる)

効果測定が要求されるのは、プロモーション(販売促進)業の特徴だが、その測定方法はアンケートや来客数調査、売り上げ増加率などの調査がメインで、効果測定は別見積もりになるほど大変な作業で時間もかかる。

しかしインターネット広告は、一般的にブランドの認知+販売促進という二つの効果があり、しかも効果測定は簡単で、迅速だ。広告掲載が終了すれば、どれだけ広告が閲覧されたか、どれだけユーザーの行動を促したのか、などがすぐ報告される(このあたりのノウハウについてはここで解説済み)。リアルタイムでのレポートさえ可能なのだ。

そんなわけで、インターネット広告を取り扱う営業担当者には、広告効果の予測を行う能力と、高いマーケティングセンスが求められる(もちろん全てのネット広告専門代理店がこれらの能力に長けているわけではない)。『おつきあい』だけではネット広告の営業とはいえないのだ。こうしたシビアさは、従来の広告代理業の苦手とする性質のものだろう。

二番目の、ネット広告の流通システムについて特徴的なのは、メディアレップという新しい業務が、インターネット広告の際に威力を発揮する(今のところね)という現実を、従来の広告代理店が理解できないという事情がある。これについては次のページで解説する。

三番目の理由については、別に広告代理店に限ったことではなく、現在の国内企業の管理職・幹部クラスのヒトたちのコンピュータースキルが概して低いために、新しいコミュニケーション手段であるインターネットについてあまり積極的に関わることが出来ないという、日本特有の事情による。

比較的あたらしもの好きの広告業界でも、ビジネスとなるとなかなかスタイルを変えられないようで、電子メールのスキルも『なんとかできる』程度のヒトがほとんどだ(メール文面もヒドイ)。このあたりはやはりIT系ベンチャー企業のほうが有利で、ネット広告の代理店なんかも、当然ながら日常業務のほとんどを電子メールで完結させることで売り上げと直接関係ない業務活動の時間を短縮・効率化している(顧客にも相応の情報スキルが要求されるので、ある程度絞り込んだ顧客にしかコンタクトしない)。

訪問営業のスタイルも、従来の代理店なら、挨拶のために訪問(日本はコレがとても多い。『お近づきのしるし』に名刺交換など時間の無駄だ)→雑談のため訪問→仕事のご相談…という具合に、靴をすり減らす作業がとても多いところだが、電子メールを充分活用すれば、最初の挨拶で相談→プレゼンテーション→お仕事受注!という感じで行うことができる。

インターネット広告は単価の低い媒体も多いので、何回も客先を訪問するのは割に合わないという事情もあるが、電子メールにより『正確な情報を記録可能な形で』顧客と交換することにより、顧客満足度を高めているようだ。

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