2000/11/14 火曜日

『パーミッション・マーケティング』の効果と限界

Filed under: Marketing — 管理人 @ 21:15:39

最近、IT業界を中心にさかんに使われる『パーミッション・マーケティング』というコトバ。これも多すぎるマーッケティング本が生みだした弊害のひとつだ。元々は米国ヤフーの副社長、セス・ゴーディンの提唱した、『富山のクスリ売りをヒントにした販売ノウハウ』である。あらかじめ承認を得ている顧客にのみ、関連販売を展開するというものだが、これが今流行っている。

例えば、電子メール広告のひとつに、オプトインメール広告というものがある。これは電子メールを使ったダイレクトメールだが、あらかじめユーザーに広告の内容を選択させ、企業からの情報メール送付をユーザーが了承しているという特徴がある。たとえば『マンション購入に興味がある』と申告すれば、不動産会社からの広告メールのみ配信されるようになるしくみだ。

『オプトイン』というのは『すすんで…する』という意味合いで使われていて、『オプトインメール』といえば、『ユーザーがすすんで受け取ることを承認した』というコンセプトのメール広告として展開されている。このオプトインという概念は、パーミッションマーケッティングの実例として知られている。

オプトインメール広告の効果は今のところネット広告の中でもずば抜けていて、たとえば広告のクリック率はバナー広告が通常0.3%程度なのに対して、オプトインメール広告の場合は最高20%くらいのユーザーがクリックする。非常に費用対効果に優れた広告方法である。

しかし、これはあくまで初心者が支配する現在のネットユーザー市場において効果を発揮する広告方法だ。インターネットに習熟し、仕事で日常的に電子メールを利用するユーザーにとっては、やはり広告だけのメールはだんだん敬遠されていく。

いくら不動産情報に興味があるからといって、賃貸マンションから投資用の高額マンション、分譲マンションの情報からSOHOマンションの提案までされてはウルサすぎるのだ。

オプトインメールでいうところの『オプトイン(すすんで受け入れる)』という概念には寿命があり、それは案外短い。 このためオプトインメール広告では、広告効果が一定レベルを保持できるように、どんどんネット初心者を取り込んでいくのを至上命題としている。

『オプトインメールのクリック率が最高で20%』と言われて、『広告価値が高い』という説明はあくまで他の媒体と比較した際の費用対効果の話。クリックしなかった80%のユーザーにとって、そのメールは『価値ある』メールではなかったわけである。

とはいえ、オプトインメールは今のところスパムメールに比較すればずいぶんと『広告倫理に配慮した』広告手段として評価されるべきだろう。結局、パーミッション・マーケティングが貢献したのは、この『販売促進の場に企業倫理を呼び覚ました』という点につきるのではないだろうか。

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